音楽葬とは

小林憲行【記事監修】
小林憲行

記事監修小林憲行

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音楽葬とは、無宗教葬・自由葬と呼ばれる葬儀形式の一種で、音楽を流して故人を偲ぶ葬儀のことを指します。

読経などを伴わない音楽を中心とした新しい葬儀形式となるため、故人の希望であったとしても周囲の理解を得ることは難しい場合もあります。そこで、故人の希望を尊重して音楽葬を検討されている方向けに、音楽葬のメリットやデメリット、注意点を紹介します。

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音楽葬の形式

葬儀中のさまざまな場面で、故人とゆかりのある音楽をBGMとして流すことができるのが音楽葬の特徴です。流す曲は市販CDだけでなく、ピアノや合唱団など演奏者を手配して、生演奏をしてもらう場合もあります。他にも故人が生前演奏した音楽を流すこともできます。このように故人とゆかりのある音楽を流すことで、参列者が故人との記憶を鮮明に思い出すことができるため人気が出てきています。

また、式の流れも自由に決められるため、音楽を流している間に故人との思い出を語り合う時間を設けることもあり、従来の形式的な型に捉われないオリジナルな葬儀を作り上げることができます。

音楽葬のメリットとデメリット

音楽葬の自由度の高さは魅力的ですが、一方で新しい形式の葬儀であるためデメリットもあります。そのため、メリットとデメリットをあらかじめ理解した上で音楽葬を検討するようにしましょう。

まず、メリットとして最も大きいのは思い出に残る式になることです。

式中に音楽を流すことで参列者の心の中で曲と故人との結びつきが生まれるため、日常生活に戻った後で同じ曲を耳にすると故人を思い出すことができます。

また、遺族にとっても印象に残る葬儀になります。時には式の中で、参列者全員で故人の好きだった曲を合唱するといったこともあります。準備の段階でも、「故人が好きだった音楽は何か」「故人のイメージに合う音楽はどれか」など、式で流す曲について話し合うことで家族と関わる時間が増えます。

こうした時間を重ねることで、一緒になって故人を送り出すという家族間の意識が強くなり、家族にとっても記憶に残る式になるでしょう。

反対に周りに理解してもらうのが難しいというデメリットがあります。

特に、従来の形式に慣れている年配の方からは理解されにくいことが多いため、事前に伝えたり、家族や親族と話し合って決める必要があります。こうしたデメリットを回避するためには、故人の希望があったことを伝えるのが最も効果的です。

また、式場によっては音楽が流せない場合や、演奏者を手配する際の追加費用が掛かかることもあるので注意が必要です。

よく使われる音楽

故人とゆかりのある音楽を流すことが多い音楽葬ですが、一般的にはどのような音楽が使われる傾向があるのでしょうか。

リクエストで多く挙げられるのは、故人が生前好きだった曲、故人の生きた時代の代表的な曲、故人のイメージに近い曲などです。近年では「自分の葬儀ではこの曲を流してほしい」と生前に自分の葬儀で流したい曲目を指定する方もいるので、故人の希望を確認しておきましょう。

実際に使用されることの多い曲は「G線上のアリア」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「川の流れのように」「精霊流し」などがあります。一般的に音楽葬では10曲程度の音楽を流すことが主流ですが、音楽の種類やタイミング、曲目を自由に決めることができます。そのため、故人の希望を優先して決めていくとよいでしょう。

また、最近では葬儀のBGMのために作曲された曲なども販売されています。

音楽を流すタイミング例

音楽葬では音楽を流すタイミングに決まりがありません。そのため、式中ずっと音楽を流しておくこともできますし、参列者の印象に残るようにシーンごとに音楽を切り替えることもできます。

流すタイミングとしては、開式前、故人の紹介、弔電、献花、遺族代表謝辞、閉式、出棺などが挙げられます。

音楽葬の注意点

音楽葬はオリジナル性の高い葬儀ですが、自由度が高いからこそ注意すべき点があります。式場によっては音楽自体を流すことができないなど、音楽葬を受け付けていない場合があります。そのため、音楽葬を受け付けている式場を探すようにしましょう。他にも音楽葬自体を禁止している宗教があるため、所属している宗教や宗派が音楽葬を禁止していないかどうか事前に確認しておきましょう。

また、選曲や費用についても注意が必要です。式中ずっと同じ曲ばかり流すわけにもいきませんし、故人のイメージとかけはなれた曲を流してしまうと参列者から疑問が生まれてしまいます。

費用についても、形式や相場が決まっていないからこそ、気がついたら高額になっていたということも考えられます。まずは予算を決めた上で、どのような式をするのかを相談しながら決めることをおすすめします。

さらに葬儀会館などの施設で音楽葬を行う場合、著作権の問題が生じる可能性もあります。

店舗などでCDやインターネットで配信された音源などで曲を流す場合、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に使用料を支払う必要があります。

この著作権に関しては、JASRACと葬儀社との契約によります。実際にこうした契約を結んでいるかどうかはそれぞれの葬儀社によりますが、契約が結ばれていない場合、例えば故人が好きだったCDを持ち込んで式場でかけることで著作権を侵害してしまうこともありますので、注意が必要です。なお、自宅葬で音楽をかける場合には、著作権の侵害には当たりません。

まとめ

今後は音楽葬をはじめとして、従来の形式にこだわらない無宗教葬や自由葬は今後も増えていくことが予想されます。「故人の意思を汲んだ葬儀をしたい」「頭に描いた葬儀をどのように実現したらいいかわからない」など、無宗教葬や自由葬ならではの悩みも出てくると思います。

無宗教葬や自由葬について相談したいという方はもちろん、お見積もりの手配や式場選びのお手伝いを希望される方は、お気軽にお問い合わせください。

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